2010年1月4日(月) |
政治資金と贈与税 |
母親から提供された政治資金は贈与に当たるのか? 現在、鳩山首相兄弟の政治資金の件がマスコミを賑わせています。実際の事実関係は措いておき、仮に、兄は母親からの寄附として資金管理団体の政治資金収支報告書に記載し、弟は記載していなかった、という場合、両者は税務上同じ扱いになるでしょうか? 政治資金とは? 政治資金とは、政治活動を行うために必要な資金で、寄附や政治資金パーティーなどで集めます。 贈与税の非課税財産です。 政治家個人への金銭による寄附(選挙運動は除く)等は禁止されているものの、親族から資金管理団体への寄附は禁止されていません。 この資金管理団体とは、政治家個人のために政治資金の拠出を受け、あるいは、政党から受けた政治活動に関する寄附の経理を行うことができる団体です。 個人から個別の資金管理団体への寄附は、年間150万円以内という制限があります。
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贈与とは? 贈与とは、自己の財産を相手方に無償で与える意思表示をし、相手方がそれを受諾することによって成り立つ契約です。つまり、口頭で「これあげる」、「ありがとう」といえば成立します。 このような、書面によらない贈与はいつでも撤回できますが、履行が終わった部分については撤回できません。 また、親子間の金銭貸借は贈与とみられることが多いのですが、借用書等により返済期間、通常の利息を付すこと等を明確にし、口座振込み等により返済事実を第三者が確認できれば、贈与税は課税されません。 じゃあ、どうなの? 仮定の上での結論ですが、兄は母から直接、資金管理団体へ寄附を受け、政治資金として記載していますので贈与税は非課税ですが、制限を超えて寄附を受けた等の事実があれば、政治資金規正法違反となる場合があります。 一方、弟は報告書に記載せず、政治資金との認識もなければ、母親からの贈与となり、贈与税が課税されます。 なお、贈与を受けた金銭を弟名義で自己の資金管理団体に寄附する場合、150万円の個別制限は適用されません(1000万円の総枠制限はあります)。 |
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