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2009年8月31日(月)

自社存続の為の健康診断

 
 

 己を知る意味で、自社の健康診断は大切です。

 最低でも、自社存続のためには、次の3項目の確認が必要かと思います。

(1)実質債務超過有無の把握

 決算で作成した貸借対照表(以下「BS」)は次の通りだったとします。

 (決算書BS)

借  方

貸  方

 現預金       30
売掛金 250
棚卸(在庫) 350
建物 350
土地 600
ゴルフ会員権 40
投資有価証券 50
 買掛金   250
未払金   100
借入金    800

 負債計  1,150
 純資産     520

計   1,670

計   1,670


   上記、決算書上の資産の回収可能性等を
  吟味した結果、「含み損▲」は次の通り算定
  されたとします。

   @売掛金▲50、A在庫▲160、
   B建物▲250、 C土地▲400、
   Dゴルフ会員権▲30、
   E投資有価証券▲30、

   この「含み損▲」を前提に実態BSを作成し
  ます。

 (実態BS) 

借  方 

貸  方

 現預金       30
売掛金   200
棚卸(在庫) 190
建物    100
土地    200
ゴルフ会員権 10
投資有価証券 20
 買掛金    250
未払金   100
借入金   800
 負債計   1,150
 純資産   ▲400

計    750 

計   750

   上記、実態BSからは、会社の財務状態は
  実質債務超過▲400となります。
   ここで問題となるのは、この状態で借入金
  800を返済できるかどうかです。

(2)過剰債務有無の把握

 償却前利益(減価償却+経常利益)の10倍を超える借入金は「過剰債務」と呼ばれています。

 損益計算上の経常利益が20、減価償却費30だとすると、年間の償却前利益は50です。この「50」は年間の借入金の返済財源で、その10倍、500を超える債務300(800-500)が過剰債務ということになります。

 過剰債務の存在は危険です。


(3)償却前利益と年間返済額の把握

 償却前利益が借入金返済の財源になりますので、償却前利益<年間返済額(運転資金を除く)では、返済財源が足りず、資金繰りが厳しくなります。