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2009年3月24日(火)

利益と経費はどこから 発生するのか?
 
 

想定利益は契約額−想定行動コスト

 “利益は積上げていくものだ”

 間違いではありませんが、積上げるものは“成約額”であって予定外の努力の積上げは経費の支出となり、その部分が“利益減少”に直結します。


赤字は出ないという意識

 契約どおりに実行すれば利益が確保される。それを見積もって受注する訳ですから、利益が確保できない理由は3つしかありません。

  • 見積もった契約金額そのものが間違っていた

  • 見積もったとおりの品質を提供できなかった

  • 初めから赤字を承知で成約した

 

契約行為の明確化

 単品でも連産品でも一定の合意によって取引が成立しているはずです。

 少なくとも発注者側はそのように理解しているはずです。納入者が後日になって、予定の利益確保が困難な状況だからといって取引金額の上乗せ交渉をしても誰もそんな話に乗ってくれません。

 利益減少の主な要因は、契約額に基づいた収益の実現に対応する供給プロセス、つまり実行の手順や工夫が不明確であることによって、発生するロスなのです。

 つまり原価や経費の削減努力を口にしても契約行為の実行のあり方に工夫がないと、時として、顧客満足と称して想定外の行動によって利益が流出してしまいます。


契約実現の行為を徹底する意識

 契約額を積上げ、その契約行為に係る時間と行動を最小限で実行する“実行のあり方の工夫努力”の積上げによって、想定した利益が確保されるという意味を社内で徹底することが想定利益を守ります。

 その解釈の深さと徹底が利益確保にとって最も重要な一つと言えます。