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2008年7月31日(木)

通っていない改正税法
 
 

4月30日に改正税法は成立したが

 平成20年の改正税法は4月30日の衆議院での3分の2再可決により成立しました。その後、第169回通常国会は6月21日をもって会期が終了しました。

 予算関連の改正税法は、何十もの税法の改正に絡むものの、毎年ほぼ「所得税法等の一部を改正する法律案」と「地方税法等の一部を改正する法律案」との二つに整理されて、一括法として上程されます。


一括でなかったものがある

 税制改正法は、1月に内閣として「税制改正要綱」を出すことから始まります。

 ここに書かれたもので、国会通過しなかったものは、過去ほとんどありませんでした。今年も、日切れ騒動があったものの、1ケ月遅れで国会通過しました。

 ところが、「要綱」に書かれていたもので、国税一括法に入っていず、そして、国会では衆議院のみですら通過していないものがありました。


「税制改正要綱」での記載と一括法

 それは要綱で「長期優良住宅」と書かれた、いわゆる「200年住宅」関連税制です。

 要綱では、登録免許税、不動産取得税、固定資産税の軽減が唱われていました。そして、地方税一括法ではこれを取り込んで税制は改正をしたものの、国税一括法にはこれを記載せず、「長期優良住宅促進法」の創設関連一括法案の中に置きました。

国税と地方税のチグハグ

 「長期優良住宅促進法」は衆議院で審議未了のまま国会閉会となってしまったので、根拠法のないまま地方税制のみ改正され、国税は大綱・要綱の案が未実現ということになりました。チグハグ改正です。


国税通則法改正でも同じ現象

 要綱にはありませんでしたが、多くの税制改正解説書が今年の改正項目として取り上げていた「異議申立て」を「再調査の請求」に改める、という国税通則法の改正予定がありました。

 これは、行政不服審査法の改正に伴う一括関連法とされていたもので、200年住宅法関連と同じく、衆議院で審議未了になってしまいました。

 日切れ法案で揺れたねじれ国会の余震が続いているように思われるところです。