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2008年7月18日(金)

失敗しない店舗展開
 
 

集中出店って何だろう?

 かつて大手資本が特定の地域に洪水のように集中的に出店するケースをよく見かけましたが、この目的は同業他社を排除し、寡占による優位性を確立することにありました。

 しかし近年では、その大手でさえ資本効率の低下を理由として短期で撤退してしまいます。


寡占のリスク

 地域での“寡占の強み”という発想は昔も今も、もちろん中小企業にとっても魅力ですが、一方で次の点でハイリスクであるといえます。

  1. 経営資本をそこに集中すると言うことですから、資金が狭い地域に固定され資本効率が低下する上に“短期間に起きる市場のパラダイムシフト”に適応困難となること。
  2. 市場の地域概念が“市町村空間”から“車の移動時間の空間”に拡大しており、中小資本では追いつけない範囲となっていること。
  3. 都市部では都市の再開発等で“人の流れが激変”すること。

変化する時代への適応力

 圧倒的に制することは、今や困難な時代です。“変化適応力”を、高める戦略として『出来る事を強化する』視点から『出来る事を変化させる』視点へ向けた人材育成に経営資源を集中させるべきです。

 店舗(市場)や特定の寡占ではなく“質の寡占”という意味で、中小企業のモノづくり産業や事業展開にも同じことが言えます。