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2008年6月26日(木)

世界長寿企業分析
 
 

韓国銀行の報告書

 578年に百済から渡った金剛重光(柳重光)が創業した日本の建設会社・金剛組を世界最古の企業として紹介しています。

 世界で創業200年以上の企業は5,586社(合計41カ国)でこのうち半分以上が日本に集中しており、続いてドイツ837社、オランダ222社、フランス196社の順となり韓国には創業200年を超える企業はなく創業100年以上の企業も2社にとどまります。

 日本の場合は、創業千年以上の企業は7社、500年以上は32社、 200年以上は3,146社、
百年以上は5万社余りなどで、これら長寿企業の89.4%は従業員数300人未満の中小企業です。


帝国データバンクの調査結果

 明治末年(1912年)までに創業した「長寿企業」は24,234社あり、明治維新前(1867年まで)に創業した企業は全国で2,879社にのぼり、そのうち江戸幕府の開府前(1602年まで)に創業した企業は139社です。

 長寿企業を業歴別にみると、「100年以上」の企業は2万304社、「200年以上」が1,241社、「300年以上」が582社、「400年以上」が154社、「500年以上」が34社となり、また、業種別に大分類すると、「小売業」(構成比29.0%)、「製造業」(同25.5%)、「卸売業」(24.9%)の順に多く、この3業種で全体の8割を占めています。


 

 

神戸大学加護野忠男教授の詳細報告

近畿地方には、長寿企業がとくに多く、なかでも最も長寿なのは、大阪の金剛組でしょう。金剛組は、聖徳太子の命を受けて西暦578年に百済の国から招かれた3人の工匠のうちの一人、金剛重光によって創業され、それ以来、四天王寺の宮大工として1400年以上の歴史を持っています。

 同じ宮大工をルーツにする会社では、竹中工務店も古く、織田信長の家来だった竹中藤兵衛正高によって1610年に尾張の国で創業されており、その後宮大工としての歴史を守り、明治以降は神戸・大阪に本拠を移し、総合建設会社に脱皮し、まもなく400周年を迎えます。

 清酒醸造業にも多くの長寿企業が見られ、京都伏見では、1637年創業の大倉酒造(現月桂冠)があり、灘では、1662年創業の辰馬本家酒造(ブランドは白鹿)、1711年の大関、1717年創業の沢の鶴、1743年創業の白鶴酒造など、長い歴史を誇る企業が多く、なかでもとりわけ長寿なのが1550年創業の伊丹の小西酒造(ブランドは白雪)です。

 その他の産業でも、京都では、呉服卸の外与《とのよ》が1700年創業で、寝装品の京都西川は1566年の創業です。金粉金箔の福田金属箔粉工業も、1700年の創業です。