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2008年5月23日(金)

保証してもらって安心
 
 

保証してもらえる

 「信用保証協会の保証が付くから安心ですね」と、言われたことはありませんか。

 会社が金融機関から融資を受ける際、当然のように代表者が連帯保証人になることを求められます。

 さらに、「あなたの会社なら信用保証協会の保証を付けることができる」と、勧められます。

 確かに業種によって、あるいは会社の業績によっては保証を受けたくても受けられないのですから、間違ったことを言われた訳ではありません。


肩代わりしてもらえる

 この保証は正確には債務保証といいます。

 債務者が返済不可能になったときに、保証人(信用保証協会)が債務を肩代わりして返済します。

 ただこの肩代わりによって債務がなくなって万事解決とはなりません。

 保証人が債務を返済することを代位弁済というのですが、法律的な意味は、弁済者が債権者の有していた原債権を取得することなのです。

 だから金融機関の有していた債権が保証協会に移っただけで、会社の債務は消滅していません。

 その結果保証協会から求償権として、会社や代表者である保証人に対して弁済が求められるようになるのです。

保証さえなければ

 現実にあるかどうかは別にして、法律的には、返済能力はあってもなかなか支払わない債務者に対して、債権者は連帯保証人に請求することすらできます。

 保証協会が保証人に加わったことで、金融機関は簡単に取立ができることになるのです。

 信用保証協会の保証が付いて安心だったのは金融機関なのです。