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2008年5月13日(火)

契約書日付の遡及記載
それだけでは契約書が架空であることにはならない!
 
 

 平成19年6月付けでの東京国税局課税第一部国税訟務官室から国税局の内部資料として発行されていた「調査に生かす判決情報」という資料が、情報公開法による開示情報として税理士会の情報ネットワークに掲載されています。

 その一つが表題の「契約書の日付の遡及記載は、それだけでは契約書が架空であることにはならない!」です。

 こういうタイトルで内部資料となっていたものです。

 そこにある、文章を以下少しそのまま紹介します。

 どれも、国税庁の人が書いているものです。

証明責任は国側が負う

 判決の事実認定は、原告・被告双方の主張立証に基づき総合的に判断される判決は、裁判官の自由な心証で決められ、証明責任を負っている国側の証拠が一面的で、ほかに有力なものがなかったり、相手側がそれを揺るがす主張立証を行えば、裁判所は「弁論の全趣旨」から総合的に判断し、課税要件事実の存在に確信が持てない場合は、国側を敗訴させる。

 したがって、単に契約書等の日付が遡って記載されているといった事実を把握していたとしても、それが取引を仮装したとする絶対的な決め手になるものではない。


税法は基本的に侵害規範

 税法は基本的に侵害規範であり、国民に義務を課すものだから、原則として課税処分の主張立証責任は、課税庁に負わされている。

 そして、判決は、裁判官の自由な心証で決められ、しばしば「弁論の全趣旨によれば」といった認定により判断がなされる。

 したがって、処分の正当性を裏付ける証拠が一部にあったとしても、それに反する証拠を相手側が提出し主張している場合には、裁判所は「弁論の全趣旨」という観点で総合的に判断することとなる。


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