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2008年4月18日(金)

離婚時年金分割の誤解と真実

 
 

あまり知られていない
   「熟年離婚と年金分割」の真実

 平成19年4月より離婚時の年金分割制度が導入され、マスコミでも話題になっていましたが、実は案外と知られていない事実が潜んでいます。

 それは、

  1. 分割されるのは婚姻期間部分の保険料納付記録であり、分割割合は上限50%。
  2. 平成20年4月以降の第3号被保険者期間については自動的に50%分割。
  3. 婚姻期間中、被扶養配偶者に厚生年金加入期間があるとその期間も分割。
  4. 原則、離婚後2年以内に請求すること。

 では、具体例を1つ。

 平成19年4月に離婚、婚姻期間30年、夫は会社に40年勤務し、厚生年金が月12万円(平均受給額)で賃金変化を考慮せずに計算すると、分割対象は12万円のうち婚姻期間部分(30年)の9万円。

 このうち上限50%で分割された場合には45,000円となります。

 この分割割合は当事者双方の合意が必要と
され、合意が得られない場合には裁判手続となり、裁判所による分割割合の決定を受けています。

 実際に分割するには、標準報酬改定請求をしなければなりません。

 ちなみに、婚姻後に厚生年金加入期間があった妻の中には、自分の年金は満額保障され、夫の年金の50%が上乗せされると誤解されている方もいるようですが、妻の分も分割対象になります。