2008年4月16日(水) |
有姿除却とは |
昨年、火力発電設備について、一括除却損を計上したことにつき、まだ個々の資産のすべてが使用価値を失ったと言い難いとして税務否認を受けた事案について、全部取消しで納税者勝訴の判決がありました。 除却処分とは 固定資産の処分には、売却処分と除却処分があります。 除却処分とは、使用を廃止した固定資産について解撤・破砕・廃棄等をすることを指します。 ただし税務上、除却の態様にはこの実際の除却のほかに有姿除却があります。 有姿除却とは 有姿除却とは、使用を廃止した固定資産について、廃棄等は行っていないが既に使用価値の尽きていることが明確になったことを根拠に、その現状有姿のままスクラップ価額を残したところで除却処理することをいいます。 法人税通達には、これについての確認規定がおかれています。 判決での規定 判決によると、「除却とは、既存の施設場所におけるその事業固定資産としての固有の用途を廃止したものをいうものと解すべきであり、設備稼働が廃止され将来再稼動の可能性がないと認められる以上、設備を構成する個々の固定資産についても、設備稼働の廃止の時点でその固有の用途が廃止されたものと認められた」ということです。 |
再使用の可能性 なお有姿除却は再使用の可能性の小さいことが理由ですので、金型については除却後の再使用は認められます。 その他の資産では、その後の転用による再使用を排除するものではありませんが、転用後の使用方法について、その資産の本来の用途・用法と相当に異なっているということが条件になります。 漏れはないか ちなみに、固定資産の廃棄の場合は支出を伴わないことが多いため、現場での廃棄処分だけで済まされてしまうことがあり、結果として、経理処理が洩れてしまう場合が少なくありません。 定資産の多い会社の場合には、少なくとも決算時や償却資産申告時に固定資産台帳の棚卸しをする必要があります。
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