バックナンバー  2007年12月  2008年1月 
 

2008年2月26日(火)

山田洋行と守屋次官の関係は
何故15年も続いたのか?

 
 

使途秘匿金とは

「法人がした金銭の支出(贈与、供与その他これらに類する目的のためにする金銭以外の資産の引渡しを含む。)のうち、相当の理由がなく、その相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地並びにその事由を当該法人の帳簿書類に記載していないものを言う」とあります

要は、金銭や物を渡したにもかかわらず、その相手先を明らかにできない場合は、使途秘匿金とされます。

使途秘匿金とされると、通常の法人税30%の他に、その支出額に対し40%の特別税率による法人税が課税されます。合わせて70%の税金が掛けられます。


サービスの提供は含まれません。

しかし、金銭や物を渡す代わりに、サービスを提供した場合は、使途秘匿金には該当しません。ですから、飲食の提供やゴルフや旅行への招待であれば、その提供した相手を明らかにしなくても、使途秘匿金には該当しないこととなります。

しかし、交際費には該当いたしますので通常の法人税の課税は免れません。

使途秘匿金は課税すれば済む訳ではない

山田洋行も守屋次官の接待にあたり、守屋次官は納入先の公務員でもありますから、贈収賄の懸念もあり当然相手先は明らかにしていなかったと思います。

ゴルフも偽名で行っていたくらいですから、

使途秘匿金に該当すれば、70%の課税がなされるわけですが、税務調査の過程では、当然、相手先や明らかにできない理由等が追求されたと思われます。追求されれば社内や役員会でも問題になり後ろめたさは残ります。それだけで癒着が解消されるとは思われませんが、15年間(1990年〜2005年)も同じように続くことは無かったかと思われます。

  守屋次官への接待・供応が、金品の収受ではなく、ゴルフや旅行と言うサービスの提供であったことが、癒着が長く続いた一因となった可能性は否定できないのではないでしょうか。