バックナンバー  2007年2月  2007年3月 
 
2007年4月3日(火)
すでに、本場米国で三角合併を展開した日本の会社がいた!
 
 

 最近、専門誌等で「三角合併解禁、日本型経営揺さぶる、黒船襲来」と言った記事が目立ちます。

 しかし、今から15年程前、すでにM&Aの盛んな本場米国に乗り込んで、米国の上場企業を三角合併(米国に子会社を設立し、この子会社を通じて日本の親法人の株式を交付する)によって吸収した日本の会社があります。

 その会社は、京セラです。

 もちろん、京セラ株は日本の有力銘柄でニューヨーク証券取引所にも上場はしていましたが、米国の一般投資家にはまったく無名だったそうです。

(1)株式としての品質が問われる

  無名な京セラが米国の一般投資家から受け入れられたのは、合併に必要な株主から賛同を得るため製品や業績、日本の株式市場の構造や株価形成プロセスまで、対価として渡す自社株の説明に相当の労力を割いたことはもちろんのことですが、何といっても、京セラ株の品質が信頼おけるものだったことが決めてだったようです。

 欧米の整備された取引所の上場株式なら、 
品質について間違いはないと判断されたようです。

 

(2)株式は通貨か

 株式を「コーポレート・カレンシー」(企業通貨)と最初に意識した日本の経営者は、ソニー創立者の一人である「盛田昭夫氏」と言われています。ソニーは1960年代に米国預託証券を発行し、自社株買いや株式交換など資本主義・株式会社の洗礼を受けたと言われています。

 盛田氏は、株式が通貨に匹敵する現実をみて、「経営者は通貨の発行責任を自覚する必要がある」と語っていたそうです。

 時価発行で高まった株式の品質(株価)の重要性は株式交換で決定的になりました

 市場経済の原則は、等価交換ですが、株式交換は株式の品質次第で不等価交換になりかねないからです。株式を「通貨」のように扱う時代においては、株式の品質を高めるための自主規制や行政の市場監視機能を強化することも重要でが、何と言っても経営者の自覚が大切です