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2006年10月2日(月)

地価に関する指標 〜路線価と公示価格〜
 
 

 平成18年度の路線価が発表になりました。今年はバブル崩壊後初めて13年ぶりに路線価が上昇し、「いよいよ景気回復か?」ですとか「都市と地方の二極化が進む」などニュースにも取り上げられていました。

 ところでこの「路線価」とは何でしょう?


路線価と公示価格

  路線価とは、道路(路線)ごとに国税局長が決定した土地の単価=1平方メートルあたりの価格のことをいいます。

 この価格は毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格、売買実例価額および不動産鑑定士など専門家の意見価格などを基に、公示価格と同水準の価格の8割程度により評価した金額とされます。

  ですから厳密に言えば土地の価格を直接的に表したものではなく、あくまでも税務上の指標として設けられたものです。

 これに対して土地取引の直接の目安になるものが公示価格です。

 これは、地価公示法に基づいて国土交通省が公表する土地の価格をいい、国土交通省の土地鑑定委員会が、全国の都市計画区域内に標準地を設定し、毎年1月1日時点の土地の正常価格を鑑定・審査。

 3月下旬に公表しているものです。

 ちなみにこちらは本年も引き続き下落していました。

 なぜ同じ地価に関する数値でありながら路線価は上昇、公示価格は下落、ということになるのでしょうか?

相違の原因

  平成18年度でいえば、路線価は0.9%上昇、公示価格は2.7%下落ということになっていますが、これには次の要因が考えられます。



1 計算方法の相違

  路線価の変動率は「評価額の平均の前年対比」であるのに対し公示価格は「各地点の変動率の平均」となっています。

2 評価値点数の相違

  路線価は約41万地点であるのに対し、公示価格は約3万地点です。

  というように同じ土地に対する指標であっても若干異なる部分がありますので、片方だけを見て鵜呑みにするのではなく、両方を対比しながら参考にした方がデータとしての有用性は増しそうです。